埼玉県川越市の新築木造一戸建て住宅デザイン

【街中の家:限られた敷地の中でデッキテラスとグリーン、カースペース(2台)を確保する】(川越市)

JR川越駅から徒歩7分。閑静な住宅街の中の短冊状の土地。南側道路で敷地の間口の限られた街中の住宅です。道路に南向きで接しているために、入り口(玄関)は南側になるのは必然なのですが同じく南側にほしいリビングの大きな開口部をいかに広く確保するがが、大きなテーマでした。

目 次(クリックすると開きます)

南側道路の敷地 プライバシーを確保するために

敷地の奥行きは、多少の余裕がありましたので、収納力とプライバシー確保のために、道路・駐車場と家の間に自転車置き場兼物置、植栽スペースを配置しました。外観では家の手前にある小さな建物が特徴的です。「物置置き場 兼 自転車置き場」なのですが、外部収納の要素のほかに、家と駐車場の間にあって、通りからの視線を遮るためのプライバシー的な側面もあります。残った土の部分に、木陰とプライバシーをもたらしてくれる中木が植わると完成です。

南側壁面は大きな開口部と構造壁

家の南側はリビングの大きな開口部と耐震のための構造壁が占めています。玄関は構造壁の背面のアールコーブ(くぼみ空間)を利用して、コンパクトにポーチを計画しています。正面から見ると『物置置き場 兼 自転車置き場』がちょうど、開口部に被さって、直接見えるのを防いでいることがわかります。

リビングを広く感じるための仕掛け

ダイニングスペースは、玄関土間と通路、キッチン、階段をうまく絡み合わせたコンパクトだけど、広がりのある空間になってます。広がりのある空間といっても、物理的に面積が広くなるわけではありません。感覚的に広く感じる空間をつくるといったほうが近いかもしれません。

たとえば、対面式のキッチン。キッチンにありがちな吊り戸棚の取り付けはやめて、リビングの天井をキッチンのほうまで一体化しています。階段部分も半オープンにして、リビングの一部に・・・。階段からの高低差による視線の変化も魅力的ですし、通風・採光的にも優れています。(1/2階の温度差がでないように断熱性能に配慮する必要はありますが・・・。

お片付けを習慣づけるための仕掛け

リビングはヒノキの無垢床板と杉目透かし張りの壁。奥は造り付け本棚とキッズのスタディスペース。子どもたちの遊び道具や絵本、などがリビングで整理できるようにダイニングテーブルの近くにはこどものためのスペースを確保しました。ダイニングテーブルは、タモの無垢材で製作した造り付け丸テーブル。

これから、こどもたちがもう少し大きくなって小学校に通うようになると、自分たちでランドセルや勉強道具を片付ける習慣ができるようにする仕掛けです。だんだんと、宿題や遊びもダイニングテーブルで行うことが増えて行くと思います。

完成1年後のこどもスペースの様子は→こちら

リビングを整理整頓するための仕掛け

リビングには奥行き450mmの扉付き収納と奥行き300mmの本棚が造り付けてあります。収納の中にはTV置き場とこども用の机置き場も開けてあります。リビングをキレイに使うための仕掛けです。

土間スペースとリビングの通路を上手く利用したコンパクトなダイニングスペース。キッチンカウンターに造り付けた円形のダイニングテーブルも、ダイニングスペースを効率的にして、リビングの使い方の可能性を広げてくれます。

『物置置き場 兼 自転車置き場』と植樹によって、道路から適度に隠れたリビングスペース。外のデッキスペースをリビングに広がりを持たせています。

玄関土間はガラススクリーン、階段部分はオープンにして、間口の限られたリビングに取り込んであります。階段から差し込む日差しがリビングを明るく照らしています。

対面キッチンから階段、玄関土間、庭を見る

オープン階段からキッチン&リビングを見る

黒のモザイクタイルのキッチンとタモの無垢材で製作した造り付け丸テーブル

子育て世代にはお薦めの国産の無垢材

床材はお客さんとの打ち合わせでヒノキの無垢材を選択しました。ヒノキやスギなど国産の無垢材を使った住宅は、家の中に入ると空気の柔らかさが違います。これは体感できるくらいの違い。ヒノキやスギは、柔らかい材料なので、傷がつきやすかったり、汚れやすかったりと、デメリットもありますが、それを上回る魅力のある材料です。子供も、その触り心地や気持ち良さが直感的にわかるようで、すぐに裸足になって走りまわる様子をよく見かけます。今回のお引き渡しの際も、そうでした。やっぱり、本物は伝わりますし、自然素材に囲まれて成長してほしいです・・・。子育て世代の住宅にはオススメです。

コンパクトな玄関土間ですが、階段下を利用した収納スペースと造り付けの下足入れがあります。

製作した自転車置き場 兼 外物置。内側の壁は、構造用合板(12mm)のペンキ仕上げ好きなところに、釘やビスを打つことができます。

テラスには『複合デッキ材』を採用

物影に隠れたプライベートなデッキスペースです。複合デッキ材とは、再生木材と再生プラスチックを主原料とするデッキ材です。最大の特徴は、木の風合いに近く、経年変化が少ないこと。基本的には、メンテナンスが必要ありません。

また、デッキ材の側面で固定していくので、表面にビスが出ないことや、木材と違ってササクレが出ないので、小さいお子さんがいる住宅や幼稚園などの使用に適しているといえます。裸足で歩いても気持ちがいいですしね・・・。水場も物影につくりました。

庭にはイロハモミジ&エゴ

イロハモミジとエゴの中木(3m程度)も植樹も無事に終了・・・。計画していた家の要素が全部そろって、しっくりいい風景になりました。まだ、枝も葉も小さくて存在感も薄いですが・・・、季節もいいので、これから若葉が日に日に大きくなるのが楽しみです。

完成半年後の庭の様子は→こちら

2、3年経過するとデッキにちょうどいい木陰をつくってくれることでしょう。樹木の表情は、ホントに一日ごとに変化がはっきりわかりますので、子供たちがいつか気づいてくれるとうれしいです。5月になるとエゴの白い花が咲いて、いい香りがするので、びっくりしてくれるかな・・・。

2階の寝室と通り抜けのクローク

その後の暮らし:川越市新宿町 向こう三軒両隣 街中の家(西側)引き渡し約半年後
その後の暮らし:【リビングは子どもたちの遊び場!】子育て世代の家(完成から2年3ヶ月経過)川越市
イラスト計画案:川越市新宿町 向こう三軒両隣 街中の家(西側)

独楽蔵 建築設計事務所 ホームページ TOP
WORKS TOP

関連リンク(クリックすると開きます)

関連記事:【これから、ご近所さん】設計事務所の家づくり(川越市)
関連記事:【ちょっと前に完成した住宅の前を通って、うれしかったこと】川越の家づくり
関連記事:【吊す&引っかける】家づくり:外部の収納について考える
関連記事:【本物は伝わる:ヒノキの無垢フローリング】無垢材の家づくり
関連記事:【住宅の引き渡し:イロハモミジ&エゴの若葉】川越の家づくり
関連記事:【佇まい&収納&プライバシー確保&グリーン】家づくり&庭づくりの考え方
関連記事:【大工さんとなかよし:複合デッキ材】川越の家づくり
関連記事:【リビングをより広く・・・】建築家の家づくり
関連記事:【ヒノキの無垢材:床ワックス塗布】 無垢材の家づくり
関連記事:【室内の造作家具や建具の工事も終了】オーダーメイドの家づくり
関連記事:【建築現場は遊び場!】設計事務所の家づくり
関連記事:【杉板張りと塗装について】設計事務所の家づくり
関連記事:【玄関ドアデザイン ボツ案】設計事務所の家づくり
関連記事:【イラスト 現場看板】 独楽蔵 設計事務所 埼玉
関連記事:【吹きつけ断熱材(アクアフォーム)の施工】川越の家づくり
関連記事:【住宅の現場でお客様と打ち合わせ】建築家の家づくり
関連記事:【国産ヒノキの集成材】 独楽蔵 設計事務所 埼玉
関連記事:防蟻処理塗装 設計監理の木造新築工事 川越市新宿
関連記事:【「家づくり」の本質は、工事過程で実感】設計事務所の家づくり
関連記事:住宅の地鎮祭(川越)
関連記事:【子育て世代の家づくり】触覚的な建物とのふれあい